教育懇談会

2019年度 開催報告

就職活動の現状と大学の取り組み・サポート方法
2019年度関東地区就職懇談会
(浦安市)

 6月15日(土)、浦安キャンパスで1~3年生の保護者を対象に「関東地区就職懇談会」が開催された。当日は雨にも関わらず、多くの保護者が参加し、就職への関心の高さがうかがわれた。

安井学長
福田会長
会場の様子
【第1部】
「明海大学の就職に対する取り組みについて」
1年生から就職を意識した「キャリア教育」

ホスピタリティ・ツーリズム学部長/キャリアサポートセンター長
内苑孝美教授
1、2年生は「キャリアプランニング」
内苑教授

 明海大学浦安キャンパスには就職を支援する「キャリアサポートセンター」が設置されている。ここでは就職に関する情報を収集するほか、就職の相談にも応じる。相談内容によっては専門スタッフが個室で対応することも。
さらに大学では1年生から、将来働く自分をイメージさせ、進路を考えるキャリア教育を行っている。1年生と2年生は保健医療学部を除く全学部生に「キャリアプランニング」の授業を必修とし、自己理解から始まり、ディスカッションやプレゼンテーションなどのコミュニケーション能力を高めて、来るべき就職活動に備える。

「キャリアデザイン」と「eラーニングシステム」

 3年生は、実際に業界分析や面接対策を行う「キャリアデザイン」の授業を選択することができ、4年生では就活コーチングスタッフにより、一人一人が進路決定するまで就活をサポートしてくれる。「1、2年生の保護者は学生に、3年で『キャリアデザイン』を選択するように勧めてください」と話した。
また、採用試験では「SPI」という知的能力などを評価する総合適性検査を課す企業も多い。明海大ではSPI対策のeラーニングシステムを用意しており、積極的な活用を推奨している。

就職スケジュールは流動的

 現在の4年生の就職活動のスケジュールは、3年生の夏からインターンシップがスタート、3月から企業説明会が始まり、履歴書にあたるエントリーシートを提出。4年生になって6月から面接などの選考活動が始まり、随時内定が出されるという流れだった。
しかし、経団連の「就職協定」の廃止が決まり、今後は政府がルールを作ることになっているが、実効性に不安があるのが現状だ。今の3年生が就活を行う2020年は東京オリンピックが開催されるので、さらにスケジュールが予想しづらい。
一方、現在の4年生の就職活動も経団連のルール通りには行われていないのが現状で、3年生の秋には内々定をもらった学生もいたという。なぜ企業の採用活動が始まる前に内々定が出るかというと、本来「職業体験」であったインターンシップが学生と企業の接点となっていることが挙げられる。インターンシップが採用活動に影響を与えていることから、大学では積極的にインターンシップへ参加するように呼びかけている。
そして3年生の夏にインターンシップに参加するには、2年生のうちに希望する業界を絞り込み、情報を集めていく必要がある。そのためにも、本学での1年生からのキャリア教育が効果的である。

【第2部】
講演
「就職を取り巻く環境変化と支援の在り方」
売り手市場は本当か?

株式会社リクルートキャリア就職情報サイト「リクナビ」編集長 
仲世古妙氏
業種・規模によっては厳しい就職
2部講演 仲世古氏

 大卒の求人倍率は1.88倍で、5年連続の売り手市場となったが、学生の就職活動は楽になったのだろうか。ある大手メーカーでは1万4千人の応募があった。しかしエントリーシートが通った学生は2500人と、ここでなんと1万人以上の学生が振るいおとされてしまう。さらに筆記試験を通過し、一次面接にこぎつけられた学生は500人だ。最終的に内定を獲得した学生は40人であったという。実際、2017年の調査では学生がエントリーした平均数は25社で、内定もしくは内々定がもらえたのは平均2社である。
これは求人倍率を企業の規模別にみると、従業員が300人未満企業の求人倍率は9.91人なのに対し、5千人以上の企業では0.37人となっており、大企業への就職は依然として厳しいのだ。さらに業種によっても、金融業は0.21人なのに対して、流通業は12.57人となっている。このことから、現在でも就職活動は容易なものではないことがわかる。

企業は学生のどこを見ているのか

 企業が採用で重視する項目は圧倒的に「人柄」であるとのアンケート結果がある。一方、学生が面接でアピールした項目で一番多いのは「人柄」であり、ここは双方同じである。しかし、企業が2番目に重要視するのが「自社への熱意」であるのに対し、学生がアピールした2番目は「アルバイト経験」だった。なぜ、学生が企業への熱意を語れないのか。それは就職活動への準備時間が短いために、企業研究に十分な時間を取れないことが原因であると考えられる。学生に就活の悩みを聞くと、業界研究、企業研究、自己分析が足りないと答える人が多い。企業に自分の熱意を十分に伝えるためには、早くから就職活動の準備を始める必要がある。
企業はなぜ他社ではなく当社なのかという志望動機と、仕事で活躍できる思考力や能力があるかを見ている。プラスアルファで入社後に伸びるかという今後の可能性を加味して採用する。学生は企業が見ている項目にマッチするようなアピールをする必要がある。

保護者の支援は必要。でも押し付けはNG

 就職活動にかかる費用の平均は「17万960円」と言われている。特に交通費は平均で5万円だ。また、遠方へ面接を受けに行く場合は宿泊費もかかる。学生が就活中にしてもらってうれしかったことの一位は「金銭的、物質的援助をしてくれた」である。
保護者世代の就活では製造業への就職が多いが、2013年の調査では学生の就職はサービス業が多く、製造業は保護者世代の半数だ。学生へのアンケートで保護者にされて嫌だったことの一位は「企業選びに意見されたこと」だ。保護者世代と今の学生世代では就職活動のスケジュールも活動の仕方も全く異なるように、就職先も変化している。親の価値観を押し付けることなく、子どもの個性を尊重しながら、励まし、支援することが大切である。

【第3部】
パネルディスカッション
「4年生が就職活動体験を語る」

コーディネーター
総合教育センター准教授大黒章子氏
3部 パネルディスカッション 大黒教授
パネリスト

<参加者>
茂呂俊祐さん(日本語学科)
神谷星香さん(英米語学科)
泉澤光さん(中国語学科)
小林大起さん(経済学科)
牧内聰介さん(不動産学科)
鈴木真帆さん(HT学科)

どんな学生生活を送ってきましたか

鈴木:CAを目指して、準備してきました。また、資格を取ったり、アルバイトもする日々でした。

牧内:大学では宅地建物取引士の資格取得が必須だったので、その勉強をしながら、アルバイトもして、テニスサークルで事務仕事も担当していました。

小林:公務員を目指していたので、大学の勉強と並行して公務員試験の勉強もしていました。

泉澤:入学したとき、同級生との語学力の差を痛感し、中国語を猛勉強。おかげで、学内のスピーチコンテストでは首位となり、北京に短期留学もできました。

神谷:入学当初からUCLAへの短期留学を目指して勉強しながら、サークル、アルバイトもしていました。

茂呂:体育会サッカー部に所属していたので、部活とバイトの日々でした。バイト先は個人経営の焼き鳥屋だったので、売上のことや新メニューのアイデア出しなども経験して、企画や営業を学ぶことができました。

進路について考え始めた時期は?

茂呂:大学に入ったときはプロサッカー選手を目指していましたが、2年生でプロ入りは断念して就職しようと思いました。

泉澤:3年生の冬にインターンシップへ行って、そこで失敗したんです。そのとき就活生としての自覚が芽生えました。今考えると遅いですね。

牧内:3年になっても就活には消極的だったんですが、夏にインターンシップに行き、他大学の学生の意識の高さに刺激を受けたのがきっかけです。

就職活動を経験してみて感じたことはありますか?

小林:選考スケジュールが、経団連が発表しているものより実際は早く動いていることに驚きました。大学3年の3月に始まるはずの就活ですが、私の場合、3年生の11月には内々定をもらいました。

泉澤:インターンシップでは企業の人は温かい雰囲気で迎えてくれましたが、選考となるとガラッと変わるので驚きました。

神谷:企業の人は学歴で学生を見ていると思っていましたが、人間性もちゃんと見てくれていると感じることがありました。

学生時代にやっておいて良かったことや、逆にやっておけば良かったと後悔することはありますか?

茂呂:人脈作りはやっておいて良かった。実は内々定4社のうち3社はバイト先で知り合った業界関係者の紹介なんです。

神谷:良かったのは歴史の長いサークルに入っていたので、OBやOGから就活のアドバイスをもらったり、企業の生の情報をもらえたりしたこと。私は教えてもらったポイントをノートに書いて整理していました。

小林:進級要件だった日商簿記検定2級を取得しておいたのは良かったです。SPI対策はもっとしておくべきだったと後悔しています。

鈴木:私は総合旅行業務取扱管理者の資格を取得しておいて良かったと思ってます。後悔しているのは、神谷さんとは逆にサークルに入らなかったこと。先輩との縦のつながりは大切だと、3年生になって実感しました。

就活中の親御さんとの関係を教えてください。

茂呂:親に話すと私の考えを否定するのではないかと思い、具体的な話はしませんでした。

神谷:2年生の冬に母と一緒に就活のスケジュールを立てました。また、面接の日の朝は、どんなに早朝でも朝ごはんを作ってくれたことがうれしかったです。

泉澤:公務員の父は、民間への就職に否定的だったので、相談はほぼしていません。それでも交通費を助けてくれたのはうれしかったです。その後、バイトして返しましたよ。親も一緒に企業研究して、社会人の目線でアドバイスしてほしいです。学生の意見を否定したり、押し付けたりするのはやめてほしいですけど。

牧内:面接の合否の連絡を待つ間、不安に思っているときに親が「大丈夫、あなたなら受かってるよ」と励ましてくれたので安心できました。

鈴木:CAになりたいという夢を、両親はいつも応援してくれました。両親がいなければ、ここまでできていないというくらい支えてくれています。でも、その支えがプレッシャーになって泣いてしまったことがあるんです。そのとき言われた、「自分のために頑張りなさい」の一言で安心できました。

参加した保護者の声
  • 就職はまだ先のことだと思っていましたが、大学からの案内をいただいたので参加しました。そして、就職活動の準備は1年生からでも早くないとわかったので、今日は参加して良かったです。(英米語学科1年)
  • パネルディスカッションの学生さんたちが、皆さんとてもしっかりしているので感心しました。自分の子どもが、あれだけのことができるようになるのか心配。できれば、優秀な学生だけでなく、普通の学生の体験談も聞きたいです。(経済学科1年)
  • 就職活動の様子がわかって勉強になりました。大学が持っている就職の情報をもっと保護者と共有した方が、子どもへのアドバイスも的確にできるのではないかと思いました。(ホスピタリティ・ツーリズム学科1年)

関東地区教育懇談会(2年・4年)

 7月13日(土)、明海大学浦安キャンパスで、関東地区教育懇談会(2・4年生対象)が開催された。

会場の様子
会場の様子

 全体会で今野正弘教育後援会副会長は「地区教育懇談会は、保護者と大学をつなぐ教育後援会としても重要な事業。有意義な一日となることを願います」と挨拶した。安井利一学長は「地区教育懇談会は教育後援会の皆様の大学への熱い思いによって支えられており、感謝しております」と挨拶した。また、来年は開学50周年を迎えることから「今日は保護者の皆様からいろいろな意見をうかがい、三位一体で大学を良くしていきましょう」と話した。

今野副会長
安井学長
鈴木課長

 鈴木洋州学生支援課長からは、大学の近況報告が行われた。
 明海大学では学生の支援に力を入れており、欠席の多い学生への声掛けなどを積極的に行い、一人一人の学生が抱える悩みや問題の解決に向けて日々取り組んでいる。また、健康のことや経済的なことも気軽に相談できる体制を整えており、相談することは特別なことではないという雰囲気作りを心がけている。保護者に向けても、気になることは大学に連絡してくださいと話した。
 就職については、今春の卒業生の就職率は前年をさらに上回り、特にホスピタリティ・ツーリズム学科は5年連続の100%を達成するなど引き続き活況である。就職の採用スケジュールについては、現3年生までは今年と同様であるが、現2年生については、今年度検討される。また、現4年生の就職活動の状況を見ると、3年生の10月には内々定をもらった学生もおり、企業の動きは相変わらず早いので、就職活動に取り組むよう指導している。なお、保護者には就職活動に向き合う学生の「心の支え」になってほしいと話した。

個別相談
施設見学

 全体会の後は個別面談が行われた。面談では、保護者が学生を指導している教員から直接、学生の普段の様子や成績などについて話を聞いた。また面談の合間には、学内見学が行われ、教職課程センターや図書館などの施設を見学した。

 最後は場所を学内のレストラン「ニューマリンズ」に移して、懇親会が行われた。今野副会長は「面談で聞けなかったことも、先生に聞いてみてください」と挨拶。保護者と教職員が、アットホームな雰囲気で交流を活発に行っていた。

懇親会の様子
参加者の声
  • 就職も決まってホッとしていたら、大学から履修のことで問い合わせがあり、驚いて参加しました。個別面談で卒業には問題ないと分かって安心しました。小中学校と違って学内の情報があまり入ってこないので、この地区懇談会に参加すると安心できました。(英米語学科4年女子の保護者)
  • 成績のことで心配があったので参加しました。勉強内容については、もう親には分からないので、先生に直接相談できるのは助かります。懇親会には昨年も参加しました。いろいろな人とお話ができて楽しかったです。(ホスピタリティ・ツーリズム学科2年女子の保護者)
  • 娘はあまり大学のことは話さないので、今回初めて参加することにしました。大学に来るのは入学式以来ですが、明海大学はフレッシュな雰囲気がいいですね。今日は参加して良かったです。(日本語学科2年女子の保護者)
  • 就職のことを相談しようと思い参加しました。息子とは離れて暮らしているので、地区教育懇談会は普段の様子を知るいい機会で、参加後は毎回ホッとした気持ちになります。(英米語学科4年男子の保護者)
  • 施設見学などで大学の雰囲気が分かったので来て良かったです。娘からいろいろ話を聞いてはいますが、聞くと見るのとでは違いますね。先生と直接お話ができるのも良かったので、来年もまた参加しようと思います。(ホスピタリティ・ツーリズム学科2年女子の保護者)
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